フランス語と英語どちらが難しいんだ問題とは?
「フランス語と英語、どちらが難しいですか?」
フランス語に興味を持ち始めた方から、よくいただく質問です。でも実は、そう単純な話でもないんです。
日本で育った私たちは、英語を最低6年、長ければ10年近く勉強しています。学校の授業だけでなく、街の看板や音楽、映画など、日常のあちこちで英語に触れてきました。その状態で「どちらが難しいか」と聞かれると、どうしても「英語に慣れた自分」を基準に比べてしまいます。
でも、それってフェアな比較でしょうか?
もし逆に、フランス語を10年勉強した人が同じ質問を受けたら、「英語の方が難しい」と答えるかもしれません。難しさの感覚は、どこから出発するかによって、大きく変わります。
今回は、「フランス語と英語、どちらが難しいのか」という素朴な疑問を、もう少し丁寧にほぐしてみます。発音・文法・語彙など、それぞれの観点から比べながら、フランス語学習のリアルな難易度を考えていきましょう。
義務教育の英語は、実はすごいアドバンテージ
「6年も勉強したのに英語が話せない」とよく言われます。確かに、ペラペラ話せる人は少ない。
けれど、中学・高校の英語で身につけているものは、実はかなり多いんです。
たとえば――
すでに知っている英語の知識
- アルファベット26文字:読める、書ける、発音できる
- 基本文型:SVO(主語・動詞・目的語)、疑問文、否定文
- 時制の概念:過去形、未来形、現在完了形
- 1,000〜3,000語の単語:apple, book, run, beautiful…
- 文法用語:主語、動詞、形容詞、関係代名詞(日本語で理解してる)
これ、実はとんでもない財産です。
しかしフランス語はゼロからのスタート
一方、フランス語を始める時は:
- 知ってる単語:「ボンジュール」「メルシー」「シルブプレ」くらい
- 文法知識:ほぼゼロ
- 発音:聞いたこともない音がたくさん(鼻母音、R、リエゾン)
- 文字:アルファベットは同じだけど、é、è、ê、ë、ç…アクセント記号何これ?
つまり、同じ「勉強を始める」でも、出発点が全然違うわけです。
じゃあ、両方ともゼロから始めたらどうなのか?
仮に、日本人が英語もフランス語も全く知らない状態から始めたとして、比較してみましょう。
最初の3ヶ月:フランス語の方が明らかに大変
英語の壁(初級)
- 文法は比較的シンプル(I am, you are, he is…これくらい)
- 「This is a pen.」レベルなら、すぐ使える
フランス語で直面しやすい壁(初級)
- 発音が鬼門:Rの音(のどの奥から出す)、鼻母音(日本語にない音)
- 名詞に性別がある:「テーブル」が女性で「椅子」が男性?
- 動詞の活用が多い:「私は」「あなたは」「彼は」で全部形が変わる
- リエゾン:単語が繋がって音が変わる(初心者には聞き取れない)
※ただし、これらは傾向であって、個人差が大きいことに注意は必要です。リスニングや発音が得意な傾向の学習者もいますし、文法規則の理解が早い学習者もいます。年齢や学習環境、動機づけなど多くの要因が習得速度に影響を与えます。
この段階だけ見れば、フランス語の方が難しいと思えるのかも。。。
でも、ここで諦めないでください。
6ヶ月〜1年後:景色が変わってくる
フランス語(6ヶ月後)
- 最初の発音の壁、性別の壁を越えると、意外とパターンが見えてくる
- 動詞の活用:-er動詞、-ir動詞、-re動詞でグループ分けできる
- 発音ルール:綴りと発音の対応関係が比較的規則的
- 聞いた単語を辞書で引ける(発音ルールが明確だから)
- 文法が論理的:ルールさえ覚えれば、応用が効く
つまり、英語は入り口が広くて奥が深い、フランス語は入り口が狭くて中は意外と整理されている感じです。
中級以降の「伸びやすさ」は環境次第
「フランス語の方が伸びやすい」なんて根拠のない話はしません。正直、どちらも環境次第です。
英語が圧倒的に有利な点
- 毎日触れられる:YouTube、Netflix、仕事の資料、SNS…嫌でも目に入る
- 使う機会がある:外国人と話す時、まず英語
- 教材が無限:無料アプリ、Podcast、オンライン英会話…選び放題
- レベルが測れる:TOEIC、英検で「今の自分」が数値化できる
これ、めちゃくちゃ大きいアドバンテージです。
フランス語のリアルな難しさ
- 触れる機会がない:意識的に探さないと、フランス語コンテンツに出会えない
- 使う場面がない:日本でフランス語を使う機会なんて、ほぼゼロ
- 教材が少ない:英語に比べたら圧倒的に選択肢が少ない
- モチベーション維持が難しい:「これ、何のために勉強してるんだっけ?」ってなる
だから、フランス語を続けられる人は、本当にフランス語が好きな人です。
じゃあ、今から英語とフランス語、どっちをやるべき?
これ、目的で全然違います。
英語をやるべき人
- 仕事で使う予定がある:海外出張、英語の資料、外国人との会議
- 実用性重視:「話せるようになりたい」が第一目標
- 英語がまだ中途半端:TOEIC 600点以下、日常会話もままならない
- 短期間で成果を出したい:半年〜1年で基本的なコミュニケーションを取りたい
既に6年分の貯金があるんだから、それを活かさない手はないです。
フランス語を始めてもいい人
- 英語はある程度できる:TOEIC 700点以上、日常会話レベル
- フランス文化が好き:映画、料理、芸術、旅行…何でもいいから興味がある
- 論理的に学ぶのが好き:文法をきちんと理解したい性格
- 長期的に楽しみたい:すぐに使う予定はないけど、趣味として続けたい
フランス語は、好きじゃないと続かないです。でも、好きなら、めちゃくちゃ楽しいです。
実は、英語をやってるとフランス語が学びやすい
意外かもしれませんが、英語の知識がフランス語学習に役立つ場面は多いです。
英単語の30%はフランス語由来
つまり、英語を知ってると、フランス語の単語も覚えやすいんです。
文法用語が分かる
英語で「関係代名詞」「接続法」「条件法」みたいな概念を学んでると、フランス語でも理解が早い。
ゼロから「関係代名詞って何?」を学ぶより、「ああ、あれのフランス語版ね」の方が楽です。
言語学習の進め方が分かる
「最初は文法を固めて、あとで会話練習」「単語は繰り返し使って覚える」みたいな言語学習の型が分かってるので、効率的に進められます。
結論:どっちが難しいかより、何がしたいか
「フランス語と英語、どっちが難しい?」
この質問への答えは、「あなたが何をしたいか次第」です。
- 英語:既に6年分の貯金がある。環境も整ってる。実用性で選ぶなら、英語。
- フランス語:ゼロからだけど、英語の経験が活きる。好きなら続けられるし、続ければ深い世界が広がる。
どっちが難しいかじゃなくて、どっちで何がしたいか。
- 英語で仕事のメールを書きたいのか
- フランス語でパリのカフェで注文したいのか
- 英語でNetflixを字幕なしで観たいのか
- フランス語で映画を原語で楽しみたいのか
その「やりたいこと」が明確なら、難しさなんて関係ありません。
大事なのは、自分がワクワクする方を選ぶことです!

